柴犬の前足
日本犬保存会は、日本犬標準というものを定めています。これは日本古来の日本犬の姿を保存・発展させることが目的で、展覧会などもこれを基準に品評されます。
今回は日本犬標準で定められた前足の形についてお伝えします。
前肢
―肩甲骨適度に傾斜して発達しー
犬の前肢は、肩甲骨・上腕部・前腕部、前繋部・趾部(しぶ)から構成されています。
それぞれの関節が、固有の繋がりや角度を形成し、前肢として成り立っています。
前肢は犬の体重の60%近くをを支えているといわれています。
それゆえに骨・筋肉・関節の角度などがその犬のもつ能力に大きく影響を与えています。
展覧会などでは、細い骨やゆるんだ筋肉、日本犬標準が定める関節の角度との違い、肘の外転などはあまりよくは評価されません。
―前腕直に趾緊握すー
前腕直とは前腕がまっすぐであるさまを言います。
ここでのまっすぐというのは、前から見ても横から見てもまっすぐであるという意味です。
趾緊握とは手の握りのことであり、展覧会などでは、指の具合は丸みを帯びた適度な厚みが必要とされています。
指の間は離れていない方がよいです、力強く握りしめているならさらに良いといえるでしょう。
爪は短く硬いほうが評価されます。その理由として、良い握りの犬の爪は運動によって削られ、適当な長さになるからだと言われています。
柴犬の爪の色は黒が多いと言われていますが、別段必ずしも黒とは限りません。
しかし、出来るだけ濃い色が好ましいとされています。
「図:日本犬ー日本犬のすべてー(平成17年12月25日発行71巻第7号増刊号)」
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