犬にとって、歯とは咀嚼器であり武器であり、本来生きていくうえで最も頼りとなるものでした。
犬の展覧会などでも、犬の歯というものはチェックの対象となっており、かなり厳密に精査されます。
それゆえに歯の欠損や咬み合わせなどを気にする人は多いのですが、意外と犬の歯の発育過程などの基礎知識のほうはあまりよく知らない方もいるかもしれません。
犬について理解を深めたいならば、犬の歯をよく理解することも重要なポイントの一つでしょう。
犬の場合、生後約20日ぐらいで生え始める歯のことを乳歯、生後約100日で入試が抜け始め、代わりに生える歯を永久歯と呼びます。
乳歯の生える順番は個体差はありますが、 生後20日くらいから上の前歯が生え始め、その後下の前歯が生えてきます。この前歯のことを正確には「切歯」といいます。
また、切歯と同時に同時に犬歯が生えてきます。犬歯はいわゆる牙のことです。
前臼歯は生後約30日で成長を始めます。
だいたい生後約45日で乳歯28本すべてが生えそろいます。乳歯の段階では、第一前臼歯と臼歯は生えてきません。
人間と同じように、子犬がある程度成長してくると乳歯は永久歯に生え変わります。
永久歯の生え変わる順番として、まず生後100日ぐらいから切歯が生え変わり始めます。次に前臼歯の生え変わりは生後120日頃から始まります。それと同時に第一前臼歯が生え始めます。
少し遅れて今度は大臼歯が生え始めます。42本の永久歯は遅くとも生後6~7ヶ月までに生えそろいます。
犬の歯に異常があった場合、その主たるものの一つに「歯が無い」というものがあげられるでしょう。
犬の歯が無い場合、それは大きく分けて「欠歯」と「失歯」のどちらかということになります。
この二つの違いなのですが、歯が生まれつき生えていない場合「欠歯」と呼びます。
基本的に乳歯が欠歯の場合、例外はありますが永久歯も生えてきません。
ただ、第一前臼歯と臼歯は乳歯が生えてこないのが正常なので心配は無用です。
もともと生えていたが後に失った歯を「失歯」といいます。
また、部分的に欠けた歯を欠損歯(けっそんし)といいます。
犬の体格別の傾向として、日本犬の歯が抜けるのは大型犬と中型犬が少なく、小型犬が大多数を占めています。また、日本犬保存会のデータから、失歯になりやすい歯の順番は以下の通りです。
1. 第一小臼歯(上顎と下顎) 2. 第二小臼歯(上顎と下顎) 3. 下顎の第三大臼歯 4. 第三切歯(上顎と下顎) 上顎の第三大臼歯
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